生成AI画像の「違和感」をなんとかする 【その1】
こんにちは、デザイナーのこまつです。
最近、ネガティブな意味で話題になることがある食べ物などのAI生成画像。
「一見きれいでも、よく見ると何か違和感がある」「AI生成ってバレバレで萎える」といった声を、SNSでよく見かけます。
AIでの画像生成はとても手軽なのですが、その違和感に気づいた瞬間気になってしょうがないという声が多く、
それが飲食店のメニューやPOPなどであれば、ブランディング的にもマイナスになりかねないのが現状のようです。
個人的にも、すごくわかります。
お、生成AIのチラシだな!写真も生成っぽいな、どれどれ。ん?ウワーー!となる時があります。
プロのカメラマンに依頼するのが一番良いのはわかっているけれど、スモールビジネスでは予算の関係でどうしても難しい。
スマホで撮影しても、なかなかいい感じにならない。よくあるケースだと思います。
そこで今回は、苦肉の策なのは分かっているけれど、AIだけでなんとかせざるを得ない場合に備え、違和感を消していく作業をやってみたいと思います。
あの独特のぞわぞわする要素は、具体的にどんなものなのか?頑張ればなんとかすることが可能なのか?ChatGPTを使って飲み物の画像を生成し、実際に撮影した写真と見比べながら、修正を重ねて学びを得ていきたいと思います。
生成AIに関心のある方や、お仕事に取り入れたい方のご参考になれば幸いです。
グラスに入った飲み物の画像を、ChatGPTでつくってみる
制作条件は次のように設定しました。
- 深い赤紫色のぶどうジュースと氷が入っている
- グラス表面に少し結露がある
- グラス表面の文字は不要
- レイアウトに使いやすいよう背景は透過し、png出力
グラスにジュースと氷を入れただけの、シンプルな題材です。
今回の制作環境
今回、画像の生成・修正に使った環境は次のとおりです。

※プラン・モデル・設定名は、制作時の画面表示に基づいています。
チャレンジ開始!
今回、元写真として画像を用意しました。家にあったグラスを、部屋の片隅で、スマホ撮影。このグラスの形状を保ったまま、グラス表面のイラストや文字は除去し、グラスを氷を満たし、美味しそうなぶどうジュースを注いだ画像にしてもらおうと思います。今回はあえて雑に最低限の指示をして、ChatGPTの察する能力を試してみます。

実際に打った雑なプロンプト
AIポン出し!最初の結果

なるほど。グラスの形などの指示はひと通り聞いてくれているようです。光の入り方など、ぱっと見の見栄えはある程度整っているでしょうか。
しかし発見しました、ぞわぞわポイント。グラスの表面をよく見ると…

ズームしてみました。ぞわぞわ
水滴が大げさに、規則的に並んでいる箇所があります。結露の水滴って、こんなにツブツブしていたっけ?
そして液体の上端に並ぶ気泡。
まるで繋がれたビーズのように全体が繋がっていて、ん〜?となりました。
実際こんな感じだったっけ?いや、やっぱり不自然。

左下の3つの水疱にもご注目。規則的に同じ形が並んでいるところも、ぞわぞわポイント
1度目の修正 | 結露と気泡の不自然さをなんとかする
さて修正です。このように指示しました。
①結露の大きな粒を取り除き「霧が付着したような細かな水滴」だけにする
②液面の気泡を一部のみにとどめる
結果がこちらです。

1度目の修正結果
違和感ポイント① 細かな水滴に変えても、まだ違和感が残る
グラス表面の光が当たる箇所には全て、均一な感じで細かな粒子状の水滴がつきました。
結露自体はそれっぽいような気はしますが、均一的すぎるのと、コントラストがはっきりしすぎており、やはりまだ不自然さが残る結果となりました。
次回修正では、結露を氷の近くに控えめに残し、周囲へ自然に薄くなるよう調整してもらいます。
違和感ポイント② 気泡が全部なくなったら、薄いジュースが入っているみたい
液面の気泡は全くなくなってしまいました。少し残しておいてくれて良かった気がします。
これではほぼ水のようで、サラサラの薄いジュースに見えてしまいます。せっかくなので、果汁の濃さやコクを表現したいです。
少しとろみを感じるような果汁の濃い液体は、気泡ができやすく、それらの気泡は氷のエッジに集まるのではないか?と自分の中で仮説を立てました。
次回の修正に反映していきます。
違和感ポイント③ よく見ると氷の表現が大変なことに
結露や液面の不自然さ以上に気になったのは、氷の表現です。
AIが描画した氷やグラスの表面をよく観察すると、規則性のあるモヤのようなテクスチャーが発生しています。
実際の氷は絶対にこんな見た目をしていません。なんだか怖い。気分が悪くなる方すらいるかもしれない。
飲食物の写真は特にですが、誰も不快にならないビジュアルというのは最低限クリアするべき条件です。この違和感は必ず消してもらいます。

ぞわぞわしますね〜!
氷の形状も、直線的すぎる気がしてきました。包丁でカットされたナタデココみたいです。アイスピックで割ったようなランダムな形状の氷に指定したほうが良さそうです。
その他の違和感ポイント
全体的に氷の見え方がはっきりしすぎており、ジュースの透明度が高すぎるような気がします。液体を少し濁らせて、濃くて美味しそうなぶどうジュースに見せたい。氷の形がうっすら見える程度に調整してもらいます。
グラス上部の透明感がなくなってしまいましたので、そこも修正します。
2度目の修正 | 結露の表現が控えめになり、気泡が少しだけ戻ってきたが、微妙

確かに指示通りにはなっているけれど、気泡が少なすぎる気がする。そしてもっとランダム感を入れた方が自然になりそう。言葉での指示のみでは、これ以上の細かな指定が難しいと判断しました。
参考写真で、ランダム感を共有してみる
「気泡と結露と氷の表現は、こちらの実物の写真を参考にしてください」とプロンプトを打ち、実際にぶどうジュースと氷の入ったグラスを用意。氷や気泡、結露している部分のみをスマホで簡易的に撮影し、参考画像として添付しました。

大好きなWelch’s(ウェルチ)と氷を、透明なグラスに入れました。なるほど自然な気泡とはこういうものだ!
3度目の修正 | ようやくいい感じ!だが、気になるところも

気泡にリアルなランダム感が加わり、とても良くなったが…
ずいぶんよくなりましたが、右の方の水面がえぐれたように見えていることが気になりました。他にも気になるところをコメントで指示します。

箇所を指定して各コメントを入力
入れたコメント
- .水面がえぐれているように見えるので、ここのカーブを緩やかに
- この氷の形状が直線的で単純すぎる。アイスピックで割ったようなランダム感を出して
- 汚れがついているので除去
- グラスの厚さをもう少し薄くして、高級感を出して
せっかくなので、ちょっと欲張ってみました。最終結果や、いかに。
4度目の修正 | ここにきて、ぞわぞわポイントを足してきた

グラス表面の謎の模様が戻ってきている
とても残念な結果になりました。一つ前の修正で消したはずのぞわぞわするテクスチャーが、ここにきて戻ってきてしまいました。
ここでタイムアウト。学童のお迎えの時間が来てしまいました。
次回予告
次回、ここからの続きです。
『やっぱり最初からちゃんとプロに撮影してもらう方が良いな』と脳裏によぎったことは内緒です。
でも、必ずやります。ぞわぞわしない、普通に使える写真素材を目指して、実物と比較しながら方法を探っていきます。乞うご期待。