ECに挑戦!販路拡大を目指す時に考えたい15のこと


こんにちは、やまだです。
私たちがEC出店・運営代行を始めて早5年。少しずつノウハウも溜まってきて、最初はわからなかったあれこれが、ようやくわかるようになってきました。

いい商品と確かな技術があれば、ECでもきっと売れる……?

実は、そう簡単でもないんです。

ECで販売するには、「いいものをつくる」ことに加えて、「見つけてもらう」「分かりやすく伝える」「安心して選んでもらう」、そして「気持ちよく受け取ってもらう」ところまで考える必要があります。

「うちの商品は、インターネットでも売れるの?」
「自社ECとECモール、どっちから始めればいい?」
「商品ページをつくった後は、誰が運営するの?」

考え始めると、疑問が次々と出てきますよね。

特に、BtoBを中心に歩んできたものづくり企業にとって、BtoC・ECへの挑戦は、販売サイトを一つ増やすだけの話ではありません。

プロ同士なら伝わっていた価値を、初めての方にも分かる言葉にする。迷わず選べる商品に整え、注文からお届けまでを気持ちよくつなぐ。そして、販売しながらお店を育てていく。

やることは意外とたくさん💦

でも、大丈夫。最初から全部を完璧にそろえなくても、一つずつ考えていきましょう。

Shinari Designでは、羽毛布団・綿布団のリフォーム会社とともに株式会社livearthを設立し、EC店舗を運営しています。2022年の出店から試行錯誤を重ね、現在は月商約500万円を維持できる店舗へと育ってきました。

この記事では、私たちが実際の運営から学んだ「BtoC・ECへ挑戦するとき、最初に考えておきたい15のこと」を、どどんとご紹介します!

技術はある。でも、BtoCでどう売ればよい?

 01|自社の商品や技術は、一般のお客様にも必要とされる?

BtoBで長く扱ってきた商品や技術のなかには、一般のお客様に名前を知られていなくても、暮らしの困りごとを解決できるものがたくさんあります。

ここでまず考えてみたいのは、「何を売れるか」よりも、「その技術で、誰のどんな困りごとを解決できるか」です。

たとえば、布団の打ち直しやリフォームは、業界ではよく知られた技術です。しかし、一般のお客様は、「布団が重くなった」「サイズを変えたい」「捨てずに使い続けたい」といった生活上の困りごとからサービスを探します。
技術名から考えるのではなく、お客様の悩みから自社の技術を見つめ直してみる。すると、思いがけないところにBtoCへの入口が見つかるかもしれません。

02|BtoBの商品を、そのままBtoCでも販売できる?

もちろん、そのまま販売できる場合もあります。ただ、多くの場合は、量、価格、注文方法、説明の仕方をBtoC向けに少し整えてあげる必要があります。
そして、認知度がある商品・サービスかどうか、ということで販売方法は大きく変わってきます。

実は私も、「布団のリフォーム」の存在すら知らず、提携を機に0から学ばせてもらいました。
業界素人の私たちと連携したことで、一定の年齢層以下の世代では認知度が低いサービスだという新たな発見につながりました。

BtoBでは、担当者同士の会話や見積もりのなかで補えていた情報も、ECでは商品ページを読んだお客様自身が判断しなければなりません。
「初めての方でも、迷わず選べそうかな?」と、お客様の目線で見直してみましょう。

「何を売るか」より先に、「誰の何を解決するか」

03|ターゲットは、どうやって決める?

せっかく始めるなら、「できるだけ多くの方に買ってほしい」と思いますよね。けれども、すべての人に向けた説明は、かえって誰の心にも届きにくくなってしまいます。

年齢や性別だけでなく、どのような場面で困り、何をきっかけに商品を探し、購入するときに何を不安に感じるのかまで想像してみます。

最初から一人にきっちり絞る必要はありません。まずは、自社の商品を特に必要としてくれそうな方を真ん中に置いて考えてみる。そうすると、商品名、写真、説明、出店先なども選びやすくなります。

04|専門的な技術力を、どう伝えればよい?

長年培ってきた技術ほど、社内では「できて当たり前」になりがちです。でも実は、その当たり前のなかにこそ、お客様が知りたい価値が隠れていることがあります。

専門用語を並べるだけではなく、材料を選ぶ理由、工程で気をつけていること、職人が行う判断、品質を守るための検品などを、お客様のメリットと結びつけて説明します。難しい言葉をなくすのではなく、分かる言葉を添えることが、専門性への信頼につながります。

そして、伝わりやすい画像やデザイン、表現で制作することが競合との差別化に重要です。

自社ECとECモール、どこから始める?

05|自社ECとECモールは、何が違う?

自社ECは、ブランドの世界観や販売方法を比較的自由に設計できます。一方で、開設しただけではお客様に見つけてもらいにくく、自分たちで集客する必要があります。ブランド認知度が高くHPへのアクセス数が高い場合は自社ECがおすすめです。

一方、ECモールには、すでに買い物を目的とした多くのお客様が訪れています。新規顧客を獲得したい、認知度を高めたい、という目標がある場合は、ECモールへの出店がおすすめです。

どちらが正解ということではありません。今の認知度や社内体制、予算、商品の特性を見ながら、自社に合うスタート地点を選べば大丈夫です。

06|どのECモールを選べばよい?

ECモールでは、出店料や手数料、モールごとの特性があります。出店費用の違いだけでなく、自社の主なお客様が利用しているか、商品やサービスを販売できる仕組みがあるか、運営を続けられるかという視点で考えます。

livearthでは、コアターゲットの年齢層や初期費用などを検討し、最初の店舗としてYahoo!ショッピングを選びました。まず一つの店舗で受注から製造、発送までの流れを整え、その経験を生かして楽天市場へと販路を広げています。

「有名だから」という理由だけでなく、「今の自社が無理なく始められて、少しずつ学んでいける場所かな?」という視点も、ぜひ持ってみてください。

07|最初から複数の店舗へ出店したほうがよい?

販路が多ければ、それだけ売れる機会も増えます。しかし、商品登録、在庫・納期管理、お問い合わせ、キャンペーン、売上管理など、店舗ごとの運営業務も増えていきます。

初めてECに取り組む場合は、まず一つの店舗で、注文から発送までを滞りなく行える形をつくる方法もあります。

実際に運営してみると、事前には想像できなかった質問や課題が、たくさん見えてきます。まずは一つ目の店舗を丁寧に育て、そこで得た学びを次の販路へ生かす。そんな進め方でも、決して遅くはありません。

よい商品だけでは足りない。購入前の不安を減らす

08|商品ページには、何を掲載すればよい?

商品の特徴だけでなく、お客様が選び、注文し、受け取るまでに必要な情報を掲載します。

サイズ、素材、価格、納期、送料、注文後の流れ、お手入れ方法、返品・キャンセルの条件など、購入前に確認したいことは少なくありません。

販売する側が伝えたい順番ではなく、お客様が知りたい順番でご案内することがポイントです。実際に届いたお問い合わせは、「ここが分かりにくかったよ」と商品ページに足りない情報を教えてくれる、大切なヒントになります。

09|注文方法が複雑な商品は、ECに向いていない?

選択肢が多い商品やオーダーメイド品でも、手順を分けて見せれば販売できます。

一度にすべてを選ばせるのではなく、「まず素材を確認する」「次にサイズを選ぶ」「必要に応じて相談する」というように、お客様の判断を順番に支えます。

図、写真、比較表、よくある質問、問い合わせ窓口などを組み合わせ、迷ったときに頼れる場所を用意しておきましょう。「買ってもらうため」の情報だけでなく、「間違えず、安心して選んでもらうため」の情報も、やさしいECサイトには欠かせません。

ECは、公開してからが本番

10|ECサイトを公開すれば、自然に売れる?

少し残念なお話ですが、店舗を公開しただけで、すぐにたくさんのお客様が来てくれるとは限りません。

検索結果、ECモール内の検索、広告、SNS、既存のお取引先からの紹介など、お客様が店舗を知る入口をつくる必要があります。

最初から大きな広告費をかけるのではなく、どのような言葉で検索されるのか、どの商品に反応があるのかを確かめながら、少しずつ施策を広げていく方法もあります。

11|売上以外に、どの数字を見ればよい?

売上だけを見ていると、「なぜ売れたのか」「なぜ売れなかったのか」が分かりません。

店舗へのアクセス数、商品ページを見た人数、購入率、客単価、広告費、リピート率などを組み合わせて見ていきます。

アクセスが少ないなら、まずは知ってもらう工夫が必要です。見られているのに購入されないなら、価格、説明、選び方、安心材料などを見直せるかもしれません。数字はお店に点数をつけるものではなく、「次は何を試してみよう?」を考えるための道しるべです。
各ECモールでは、売れるための仕掛けが用意されています。その流れを把握することで、波に乗ることも、その波を大波に変えることもできるんです。

本業とEC運営を、どう両立する?

12|ECの担当者は、専任で置くべき?

出店当初から専任の担当者を置くのは難しい、という会社も多いと思います。ただ、「手が空いた人が対応する」という状態では、どうしても更新や改善が後回しになりがちです。

兼任で始める場合も、注文確認、お問い合わせ、商品更新、売上確認など、必要な業務を洗い出し、担当者と時間を決めておくことが大切です。また、1から育てるのは大変な場合は、運営サポートを行う会社と連携することもおすすめです。

担当者一人が抱え込まなくて済むように、手順を共有し、困ったときに相談できる体制も整えておけると安心です。

13|販売担当者と製造現場は、どう連携する?

EC上では販売できることになっていても、現場で対応できなければ、お客様との約束を守れません。

注文内容をどう伝えるか。判断が必要な注文を誰に確認するか。納期変更や加工上の問題を、誰がお客様へ連絡するか。販売から製造、検品、発送までの情報の流れを決めておきます。

現場の方にとって無理のない仕組みであることも大切です。EC担当者だけで売場をつくるのではなく、製造する方々の知識や声も聞きながら一緒に整えていくことで、説明はより正確に、運営はより安定したものになります。

すべてを社内だけで抱えず、得意を持ち寄る

14|どこまでを社内で行い、どこから外部へ任せる?

商品や技術を最もよく知っているのは、その会社の方々です。一方で、ECにはブランディング、デザイン、撮影、文章、システム、広告、接客、分析など、さまざまな知識と作業が必要です。

すべてを外部へ任せなくても大丈夫ですし、反対に、すべてを社内だけで抱え込む必要もありません。

製造と専門的な判断は社内、店舗制作と日々の運営は外部、問い合わせへの回答は内容に応じて連携するなど、自社の強みと体制に合わせて役割を分けられます。

外部の力を借りる目的は、単に作業を減らすことだけではありません。社内にない視点や知識を取り入れ、本業の強みを大切にしながら、一緒に新しい販路を育てていくことにもあります。

15|ECのパートナーは、何を基準に選べばよい?

サイトをつくれることだけでなく、公開後の運営まで一緒に考えられるかを確認します。

自社の商品や製造工程を理解しようとしてくれるか。売上だけでなく、利益や現場の負担も考えてくれるか。お客様の声をもとに改善できるか。担当範囲や費用、判断の方法を分かりやすく共有できるか。

ECには、「ここまでできたら完成」という明確なゴールがありません。だからこそ、状況の変化に合わせて相談し、一緒に試し、ときには立ち止まって見直せる。そんな関係を築ける相手かどうかが、長く続けるうえで大切だと感じています。

私たちも、異なる得意を持ち寄るところから始めました

株式会社livearthは、羽毛布団のリフォーム会社、綿布団の打ち直し会社、Shinari Designの3社が、それぞれの得意分野を持ち寄って設立した会社です。

製造・加工を担う会社には、長年培ってきた技術と現場の知識があります。Shinari Designは、ブランディング、EC店舗の制作、商品ページ、受注対応、集客、分析、日々の改善などを担当しています。

私たちは、寝具業界について一から教えてもらうところから始めました。知らないことも、分からないこともたくさんありました。それでも、それぞれの知識を持ち寄りながら、誰に、どのような価値として届けるのかを一緒に考えてきました。

店舗を開いた後も、「この説明で伝わるかな?」「もっと安心して注文してもらうには?」と問いを重ねながら、お客様から寄せられる質問や運営上の課題に向き合い、商品説明や受注の仕組みを少しずつ整えています。

そんな小さな積み重ねによって、現在は月商約500万円を維持できる店舗へと育ってきました。

この数字は、ECサイトを一度きれいにつくった結果ではありません。ものづくりの専門家と販売・デザインの専門家が同じ目標を持ち、公開後も手を動かし続けてきた結果だと考えています。

よい技術を、必要としている人へ届けるために

BtoC・ECへの進出には、分からないことがたくさんあります。

けれども、最初から20の問いすべてに、完璧な答えを用意しなくても大丈夫です。

自社の技術は、誰の役に立てるのか。まず、どの商品から始めるのか。どの販路なら無理なく試せるのか。社内で担うことと、外部の力を借りることをどう分けるのか。

一つずつ考えて、できるところから小さく始める。そして、お客様の声を聞きながら育てていけばよいのだと思います。

これまでBtoBを中心に歩んできた企業だからこそ、確かな技術、現場の知恵、積み重ねてきた信頼があります。それらを一般のお客様にも伝わる形に整えることで、新しい販路だけでなく、自社の技術や価値を次の世代へつなぐきっかけにもなるかもしれません。

「よいものはあるけれど、どう売ればよいか分からない」

そんな迷いが生まれたときは、「どう売るか」を急いで決める前に、自社が大切にしてきたものを、誰に、どのように届けたいのかというところから、ゆっくり考えてみてはいかがでしょうか。

そこに、BtoC・ECへの最初の一歩があるように思います。

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